東洋大・甲斐野、貪欲に吸収する大学球界屈指のクローザー…学生記者が見たドラフト候補

プロ野球のドラフト会議が25日、都内で開かれる。
* * * * 「俺の特徴はフレンドリーなこと」―。自信満々に答えるのは今秋ドラフト上位候補の甲斐野。今年は日本代表にも選ばれ、ドラフトギリギリまでリーグ戦を戦った大学球界屈指のクローザーだ。
大学では大きなケガはゼロ。1年生の段階で既に150キロを計測。下級生時代にも公式戦を経験しているなど、梅津、上茶谷の2人と比べると、早くから出番を与えられた。
完全無欠のリリーバー。そんなイメージを持ってプロ野球12球団のファンの方々は迎え入れるだろう。だからこそ、今回は直近で最大の苦難だった“3戦連続救援失敗”からの未来像を想像したい。
東都大学野球一部秋季リーグ戦)の折り返しのカードであった中大戦。守護神に異変が起こった。はじめの失敗は中大1回戦。
サヨナラのピンチで投じたリーグ戦最速タイの155キロ直球を弾き返され、サヨナラ負け。「次は打たれないんで。明日、見ててくださいと、いつもより短めに取材を切り上げ、バスに乗り込んだ。」
意気込んで臨んだ翌日も悪夢が襲う。連続四球でピンチを招くと、あろうことか押し出し。イニングをまたいでの投球になるも修正できず、3失点で敗戦投手に。
この日は取材陣を寄せ付けず、「今日はあかんわ。ごめんなの言葉を残して、大きな背中は人混みに消えていった。「3度目の正直か、2度あることは3度あるかと思い詰めて神宮に向かった駒大1回戦、結果は後者だった。」
たたきつけられた打球が頭上を通過。185センチの巨体が飛んでも届かなかった。「打たれると思わなかった。」
打ち損じてくれって思って投げたと悔やんだ3戦目。「この3戦は、自分でも「何やってんだ?」って感じ。心も体も脱力しきってた」と、この連続救援失敗を振り返った。
しかし、失敗で終わらないからこそ、今でもドラフト候補なのだ。その後の試合ではしっかりとクローザーとしての責任を果たした。「4回目も失敗したらそれなりの覚悟はしてた。」
配置転換だったり、ベンチにいるけど使われないとか普段の天真らんまんな姿はさすがに影を潜めていたが…。ちなみに普段は「俺ってフレンドリーじゃん? 代表とかでもそのおかげでみんなと仲良くなれるんだ」と自負するほどのコミュニケーション能力の高さを誇る。昨年、愛媛県で行われた代表強化合宿に始まり、今夏の代表選考合宿、直前合宿など今まで以上に他大学の選手と交流する機会がこの1年間、増えた。
「新しく仲良くなった人は?」と尋ねると、決まって「みんなやな」と即答。「新しく吸収したことは?」と聞けば、様々な話をしてくれる。「他の投手の変化球の握りを試したとか、「この選手の調整が面白い」「今までに使わなかった球もブルペンで放った話など。
野球に対しての貪欲さこそ持ち味の1つであると感じさせる。高いレベルに行けば行くほどたくさんのモノを得てくる右腕が、プロ野球の世界に飛び込んだらどうなるのか。期待は高まるばかりだ。
(東洋スポーツ・須之内 海) ◆甲斐野 央(かいの・ひろし)1996年11月16日生まれ、兵庫県出身。黒田庄小、黒田庄中、東洋大姫路高を経て東洋大。今年は守護神を務め、最速160キロ近い直球とスプリットを武器に三振を量産。
大学日本代表にも選出された。身長185センチ、体重80キロ。右投げ左打ち。
家族は両親と兄2人。

 
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