西武、辻監督 悔し涙は来季うれし涙に

【球界ここだけの話】指揮官の涙に心底、胸を打たれた。
突然の出来事にざわつく球場…。だが、目元に手をやって光るものを拭い、40秒近い沈黙の末に「悔しいです…」と、言葉を振り絞った姿には温かい拍手が注がれた。現役時代の1987年、巨人との日本シリーズで日本一を間近にして泣きじゃくる一塁手の清原をなだめたのは有名なシーンだが「監督というよりも選手と一緒に戦っている」という言葉に嘘偽りのない新たな名シーンとなった。
ベンチで涙を流した主将の浅村も「一緒になって戦ってくれた。選手に近い、いい監督」と話し、CSではベンチ外だった山田も「若手は(心に)刺さりました」と振り返った。救援に失敗した中継ぎ投手を翌日のグラウンドで見つけると「お前、この野郎~」が常套(じょうとう)句。
笑顔で接し、責めることはなかった。「一番考えるのは選手のコンディション。気持ちよく選手にやらさないといけないと話す姿は、選手への愛にあふれている。」
その姿に今季限りで退任した橋上作戦コーチも「若い選手がやりやすい環境を監督がつくっている。選手が、ノビノビとやれているし、自分も若いときにこういう雰囲気のなかでやりたかったな」と評していた。史上まれにみる“打高投低”チームの終戦から4日後。
ドラフト会議では1位入札で唯一抽選がなく最速155キロ右腕、松本航(わたる)投手=日体大=の一本釣りに成功した。最後まで大阪桐蔭高・根尾を指名する可能性もあったが「内野手の素材でそのまま育って10年安泰というのは魅力だったが、今年の現状を考えて、どう考えても投手ということでお願いしました」と辻監督。強力な即戦力右腕の獲得で、悲願の日本一へ向けた再スタートから光明が差した。
来季は悔し涙をうれし涙に変えてくれると信じたい。

 
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