
先頭打者に死球を与え、送りバントなどで2死二塁。打席には九州地区予選の代表決定戦で逆転アーチを放った中武を迎えた。
高めの142キロで完全に詰まらせ、二飛に仕留め、中武に「研究していたが、それ以上に伸びがあった」と嘆かせた。徳島・鳴門高で甲子園に3度出場した入社2年目。新人時代から補強選手として都市対抗で登板するなど、将来を嘱望されてきた。
今季は長年チームを支えたベテラン投手ら8人が加入。河野には「1年目から投げている自分が引っ張らないと」と自覚が生まれた。試合後、山下監督は「あいつはあんなもんでしょう」と素っ気なかったが、それも期待の高さゆえ。
河野本人も「完封は1イニングずつ丁寧に投げた結果」と淡々。伸び盛りのエースはチームに4大会ぶりの白星をもたらしただけでは決して満足していない。