広島がい旋 マエケンが赤いネクタイに込めた思い

顔が判別できないほど離れた場所からでも、胸元の赤色は際だって映った。
広島在籍時代は原爆が投下された8月6日前後に必ず訪れ、手を合わせていた場所。少し寒い曇り空の下、チームメートや家族と慰霊碑に近づいてくるにつれて、「ひょっとして?」の気持ちは確信に変わった。黒いスーツの胸元にのぞいていたのは、2016年1月にマツダで行われた退団会見で締めていたネクタイ。
11年からの5年間を担当した経験から、あくまで推測に過ぎないが、何ごとにも意味を込める人間だ。「カープの赤です。今日は赤のネクタイと決めていた。」
「赤色はすごく大事と思っている」。あの時もこう口にしていた。海を渡って3年が過ぎても、心はいつも広島に寄り添っている。
退団後の古巣の3連覇には刺激を受け続けてきた。7月には西日本豪雨が襲った。「野球選手として一生懸命野球をやることも大切ですし、支援できることがあれば協力することも大切とかつて約束したように、被害に心を痛め、義援金を贈った。」
マツダでマークした通算45勝は今なお歴代トップのまま。「9年間プレーして、僕にとってすごく大切な街。この場所でプレーできるのは僕にとって誇りですし、MLB代表チームとして、日本人を代表して、野球ができる喜び、感謝の気持ちを持って、広島のこの場所がとても大切なんだということを日本にもアメリカにも野球を通じて発信できればと思います」。
13日午後6時30分。胸いっぱいの思いを抱え、1133日ぶりにかつての本拠地のマウンドに上がる。

 
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