ヤクルト・山本哲哉 ブルペン支えた9年糧に、スカウトとして再出発

スーツ姿で少しぎこちなく肩を回す。
ヤクルトの新米スカウトとして、未来の主力を探す日々が始まった。9年間のプロ生活。12年からは3年連続で50試合に登板し、抑えも経験した。
ブルペンを支えた背番号20。登場曲の「浪漫飛行」に合わせ、肩を組んで揺れる右翼席のファンの姿は、神宮ではおなじみの光景となった。引退試合でも、しっかりと目に焼き付けることができた。
13年にはオールスターにも出場。「ゲームの世界で自分が使っていた選手ばかりという夢舞台で、本拠地での第2戦でセーブも挙げた。「宮本さん(現ヘッドコーチ)と一緒に出られたのはいい思い出だ。」
プロとしてのキャリアは、つまずきから始まった。即戦力として期待されたルーキーイヤーのオープン戦で右肘痛を発症。いきなり手術を受けた。
「いろんな人に迷惑をかけた。スカウトの方にも、送り出してくれた方にも、両方を裏切る形からスタートした」という思いがあった。15年にも右肘を手術。
ケガに苦しんだ現役生活だったが「悔いはない。出し切りました」と振り返る。今季1軍登板は4試合。
「若い選手が1軍に行っても、素直に「頑張れ」と言えるのがあったという自分の変化に、潮時を悟った。いい時も悪い時も味わった9年間。「スカウトになれば、ゼロからと思っていますと話すが、さまざまな経験は必ず生きてくるはずだ。
「自分もドラフトで取ってもらっている。その部分では返さないとダメですね。コミュニケーションを取って、チームの求める選手を見つけたい」。
腕を振り続けてブルペンを支えたように、常勝チームの土台作りにフル回転する。◆山本哲哉(やまもと・てつや)1985年9月4日生まれ、33歳。和歌山県出身。
179センチ、77キロ。右投げ右打ち。投手。
南部から近大、三菱重工神戸を経て、2009年度ドラフト2位でヤクルト入団。11年8月20日・巨人戦(東京ドーム)でプロ初登板(中継ぎ)通算成績は228試合に登板し、6勝11敗14セーブ、55ホールド、防御率3・07。

 
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