元阪神・山本翔也氏 縁に導かれ新たな“マウンド”へ-保険代理店に“ドラ1”入社

新しい人生に挑戦する虎戦士の思いを紹介する「神機一転」。
阪神でつながった“縁”に上がっている。
同社は大手の総合保険代理店。戦闘服をユニホームからスーツに替え、「昔からジッとしてられないんですよと忙しい日々を送る。野球への未練は-もうない。」
「トライアウトを受けたことが大きかったです。最後の1年は本当に苦しかった。野球を嫌いにもなりかけました。」
でも投げていると、これでユニホームを脱ぐかもしれないのに楽しくて。やっぱり好きだなと思って辞めることができました 少し白くなった顔で目を細めて笑う。13年度ドラフト5位で阪神に入団。
即戦力左腕として期待されたが、通算5年で22試合の登板。1勝で現役生活に別れを告げた。人懐こい性格で、多くの選手から慕われる存在。
ファンからも愛された。戦力外通告を受けた日に球団から職員として、翌日に前所属の王子から誘いがあった。進路を模索していた時、不思議な縁が決め手になった。
コア・ライフプランニング社の代表取締役・横山太一さんが明かす。「会社の草野球でボロ負けしたんです。それでトライアウトにいくぞーって」。
冗談を交えながらだが、エースとなるべき逸材を探していた。自身は85年のバックスクリーン3連発を球場で見た大の虎党。新聞で山本氏が戦力外通告を受けたことを知った。
「思いついたら即行動が僕の信条。そしたら名古屋の社員から、会ってほしい人がいると。誰だと聞いたら阪神の山本だと。」
こんな奇跡はない。成立させなきゃダメだとね 実際、トライアウト会場の福岡県筑後市まで出向き、声援とともに熱意を伝えた。「彼はこの世界で必ず一流選手になれる。」
阪神が西君に会うより会いましたよと笑う。そんな思いに感謝し、縁を大切にし、山本氏も入社を決めた。Jリーグ経験者に、剣道の全日本チャンピオンなど、さまざまな経歴を持つ人材がいる中で、元プロ野球選手の第1号、ドラフト1位での入社だ。
「人の悦ぶ道を創る」が同社の企業理念。阪神・矢野監督が掲げる「誰かを喜ばせる」のチーム方針に重なる。「山本さんがいれば安心だ、と言ってもらえるように。
「子供が野球をするなら教えることだってできる。人と人として関わっていきたい」。ステージは変わるが、胸に猛虎魂が宿る。
無限の可能性が広がる第2の人生。奇跡に導かれた軌跡を歩み、絶対的エースを目指す。◆山本翔也(やまもと・しょうや)1988年10月12日生まれ、30歳。
福井県出身。183センチ、93キロ。現役時代は左投げ左打ちの投手。
福井工大福井から法大、王子を経て13年度ドラフト5位で阪神入団。18年10月に球団から戦力外通告を受けた。14年7月27日・広島戦(マツダ)でプロ初登板。

 
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