行くぜ山梨学院ラッパー球児♪超キケン♪コウシエン

5年ぶり3度目のセンバツ出場を決めた山梨学院(山梨)。
それは、野球部ではみんなが知っている。野村は「他のやつらもやってるし、ブームになってます」と言い、チームのリラックス方法のひとつとして、ロッカーでのラップは日常になりつつある。しかし、センバツへの出場が決まった直後では、さすがに球児にとっては緊張の場面かと思っていた。
それでも椙浦は数秒で甲子園をテーマに、野村と歌詞を確認し、円陣の中央に立った。報道陣、山梨学院の先生方、保護者、40~50人は見ている中で、まるで動じない。♪イエ~イ♪行くぜ選抜コウシエン(甲子園をテーマに、野村と歌詞を確認し、円陣の中央に立った。
中央で歌う2人を囲んで、チームメートも笑顔、笑顔だ。椙浦は「いつも、歌詞は考えてますから。頭韻(とういん)、脚韻(きゃくいん)を考えて、すぐに歌詞はできました。」
問題ないですと言った。ニコニコッと笑う。ラップにもそんな専門用語があることに驚くと「やっぱり基本はありますよ。」
でも、慣れれば自然と言葉は出てきます」。言い方にもとげがなく、ラッパー球児は、底抜けに感じがいい。「ところで、お兄さんがラップをしてるんでしょ?」と、野球とはまったくもって無縁のボール球を投げたが、またしても神対応で答えてくれた。
椙浦 20歳で、今は埼玉にいます。高校時代は山梨学院で、今は埼玉にいます。
「お兄さんは、甲子園は出たの?」と、もう完全に椙浦の術中にはまったかのように、ド直球の質問をしてしまった。椙浦 はい、代打で1打席立ってます。見逃しの三振でした。
1回戦の長崎商戦(2016年8月9日)の終盤だったと思います。試合は5対3で勝ちました。初球、いいボールが来たんですけど、兄は「見逃したんだ」って言ってました。
もはや、この流れになると、ラッパー椙浦への質問を止めることはできない。ラップのようなリズムで見え見えの質問が続く。「どういうこと?」椙浦 兄は「初球を見逃したのは、甲子園を感じたかったからだ」って言ってました。
打ったら1球で終わっちゃう。見逃して、甲子園の打席を胸に刻んだんだと思います。なんだか、すっかりいい話になってきた。
「それを聞いてどう思った?」椙浦 僕もこれから必死に練習して、センバツで試合に出たいですね。そして、打席に立てたら僕も甲子園を感じたいです。ってことは、初球は見逃すのか。
「初球見逃してストライク先行されたら、追い込まれるまでにチャンスはあと1球だね?」。今度は野球の話に急展開。椙浦 そうですね。
どうしよう(笑い)(2ストライクで)追い込まれたら、甲子園を感じてる場合じゃなくなりますね。でも、まずは打席に立てるように、一生懸命やらないと。
ちゃんとベンチ入りして、しっかりチームのために貢献できるようにやりたいです。センバツ出場の朗報に沸き立つグラウンド。嬉々とする選手の話を聞いた。
同時に、ベンチ入り18人の競争は並行して続いている現実もある。ラッパー椙浦のセンバツはどうなるのか。ラップならではのノリの良さなのか、椙浦君の人柄なのか、幾度か経験した球児の取材とはまったく異質の、独特のさわやかな空気に浸っていた。

 
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