70年目のルーキー(4)大貫晋一 最年長、覚悟の夢舞台

2017年6月5日。
大一番で潜在能力が目覚めた。独特の軌道を描くツーシームを駆使して日立製作所打線を4安打6奪三振で完封。本大会出場を手繰り寄せた右腕にとっては、プロへの視界が開けた瞬間でもあった。
横浜市青葉区出身。小さい頃からベイスターズのユニホームを着て横浜スタジアムに通った。「見ていてすごく頼もしかった」。
印象に残っているのは勝ち星に恵まれないものの、マウンドで孤軍奮闘する「ハマの番長」三浦大輔氏(現・投手コーチ)の熱投だった。静岡の高校を経て、地元に戻ってきた日体大ではけがに苦しんだ。2年春に首都リーグでベストナインに選出されたものの、右肘内側側副靭帯(じんたい)を断裂しトミー・ジョン手術に踏み切った。
チームメートで元ベイスターズの伊藤拓郎のアドバイスに耳を傾けて、いまや代名詞となったスプリットを習得。課題だった体の細さを克服しようと、ウエートトレーニングも取り入れた。社会人代表選考合宿に参加するなど注目を集める存在になった。
「プロでは、社会人チームの雰囲気はいいから頑張ってね」。
昨年秋の日本選手権後、直接優しく声を掛けてもらった。「恥ずかしいことはできない。加賀さんを超える活躍をしたい 憧れのユニホームに袖を通した最年長ルーキーは、入団会見で色紙に「覚悟」としたためた。
新人合同自主トレーニングでもドラフト1位の上茶谷に負けじと猛アピールし、先発ローテーション入りを狙う。「今年で25歳とギリギリの年齢。早く投げて結果を出さないといけない」。
子どもの頃に見たあのマウンドで、全力投球する日を心待ちにしている。◆おおぬき・しんいち 投手。横浜市出身。
静岡・桐陽高-日体大-新日鉄住金鹿島。高校時代は3年夏に主戦として県8強。大学で右肘を手術し、社会人2年目から頭角を現した。
都市対抗大会、日本選手権で通算5試合に先発し3試合で完投勝利。181センチ、75キロ。右投げ右打ち。

 
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