2019センバツ 横浜/上 鍵握る未完のエース /神奈川

<春疾風-はるはやて-> <第91回選抜高校野球>  「うちは及川のチームだ」。
最速153キロの直球と鋭いスライダーが武器の左腕は、選考委員から「全国優勝も狙える逸材」「大会屈指の投手」--と称賛された。中学時代にU-15(15歳以下)日本代表にも選ばれた逸材として横浜に来た及川投手。マンツーマン指導をしてきたコーチの金子雅部長によると、転機は1年生の秋の県大会だった。
鎌倉学園との準々決勝に先発したが大量失点し、序盤で降板した。ひどく落ち込む及川投手に「この冬場はやるしかないよ」と言い聞かせ、精神面を鍛える意味も込めた厳しい練習を課したという。四股踏み、ラダー、重ねた整備道具から左右や前方へのジャンプ……。
及川投手は週1回の休みを返上し、コーチと2人きりのグラウンドで地道なトレーニングに黙々と励み、ひたすら下半身を鍛えた。それは成長へとつながり、2年生の夏の甲子園では、連覇を目指す花咲徳栄(埼玉)戦に先発して役目を果たし、チームの勝利に貢献した。そして新チームとして迎えた昨秋の県大会。
エースナンバーを背負った及川投手は圧巻の投球を見せる。強豪の東海大相模と慶応から2試合連続の2桁奪三振を記録した。続く関東大会の春日部共栄(埼玉)戦こそ連投の影響もあり、自責点5で敗戦投手になったが、1年前とは違った。
「エースとして手本になるよう、どんどん前に進んでいこう」と、すぐに気持ちを切り変えることができたという。足を上げた時に軸足に体重が乗らないと腕も振れない。金子部長のアドバイスを何度もかみ締め、シャドーピッチングを繰り返し、フォームの修正などに取り組んだ。
「2年目になってマウンドでの練習に笑顔が増えた。それは彼の心の向上、余裕を物語っている」。金子部長は成長した姿に目を細め、「センバツは技術的にも精神的にも成長した姿を見せる大チャンスだ」と話す。
平田監督は「彼は「未完の大器」。だが普通に投げることができれば、簡単には打たれない。気持ち良く投げてくれたら」と展望を抱く。
多くの期待を背負い、自身3度目の甲子園に挑む及川投手。「今度こそ、自分が思い描く通りのピッチングをする」。未完の絶対的エースが真価を発揮できるか、それがチームの浮沈を握る。
   ◇  ◇ 第91回選抜高校野球大会に県内から横浜と桐蔭学園<関東地区大会>10月6日 4回戦  ○ 7-0 横浜創学館9月16日 準々決勝 ●2-9 春日部共栄                 (七回コールド)9月23日 準々決勝 ○ 5-2 桐蔭学園が出場する。今回は横浜が春の切符を獲得するまでの道のりや選手たちの奮闘ぶりを紹介する。

 
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