ソフトバンク甲斐野が衝撃デビュー、中継ぎ抜てきも

1回を1奪三振無安打無失点の快投。新人初の160キロ到達を予感させる右腕が、開幕からセットアッパーに抜てきされる可能性が高まった。
甲斐野がマウンドに上がると、その表情から緊張の影がすっと消えた。白球を手に「腹をくくって、やってやるんだ」とスイッチオン。先頭の山田を直球2球で追い込み、直球のサインに首を振った。
「決め球のフォークを投げたかったので」。自信を持って低めに落とし、空振り三振を奪った。続く中田は直球で詰まらせ三ゴロ。
圧巻は木村への初球だ。この日、最速となる155キロで球場をドッと沸かせた。最後は内角への153キロ。
バットをへし折り、4安打と当たっていた右打者を三ゴロで圧倒。わずか9球、3人で西武打線を料理した。ルーキーイヤーでは史上初となる160キロ到達の可能性も感じさせるデビューだった。
工藤監督から「155キロを出していたし、楽しみです。すばらしい投球だった。あの球を見ていたら短いイニングなら問題ない」と絶賛された。
サファテ、加治屋、石川、左の嘉弥真ら中継ぎ陣は故障明けの選手が多く、万全の状態で開幕を迎えられるかは微妙。この日のような投球を続ければ、開幕から7回、8回を任される可能性は高い。同期入団のライバルたちの存在に刺激を受けている。
この日は中学3年時に同じ選抜チームで実力の違いを見せつけられ、一時は投手を断念するきっかけとなった西武のドラフト1位松本航投手(22)に対しても「負けたくない」と闘志をあらわにする。
リーグV奪回を狙うソフトバンクに、また1人、気骨のある剛腕が加わった。【石橋隆雄】<きょうの甲斐野評>▽ソフトバンク倉野投手コーチ「衝撃的なデビューだった。体全体を使って投げていた。」
今日一番の収穫だった▽ソフトバンク栗原(甲斐野とバッテリーを組み)「マウンドに上がったら雰囲気が変わる。目つきが変わる。(ブルペンより)球は速いし、怖い▽西武辻監督「球は速いけど、そう甘くはない。」
真っすぐは力があった。ホップするサファテとはまた違うドーン系ですね。
投げっぷりがいい▽西武中田(148キロ直球で三ゴロ)「強い球。速さを感じた。ドラ1の投手だなという、いい球だった。」
球質も良かった▽西武山田(141キロのフォークで三振)「えぐかった。同級生とは思えない。ドリルフォーク。」
真っすぐと一緒の軌道で来た◆新人の160キロ到達はまだない。大谷の1年目はオープン戦、公式戦を通じて157キロが最速だった。新人では与田剛(中日=現監督)が90年8月15日広島戦で157キロを出した大谷翔平(日本ハム=現エンゼルス)ら8人が160キロ到達はまだない。大谷の1年目はオープン戦、公式戦を通じて157キロが最速だった。
松坂大輔(中日)は西武時代の99年4月7日日本ハム戦で155キロを出し、衝撃的なプロデビューを飾った。甲斐野は昨年5月16日立正大戦でメジャースカウトのスピードガンが99マイル(約159キロ)を計測。同8月28日、高校日本代表相手の壮行試合では、神宮球場表示で大学生最速の158キロを出している。
◆甲斐野央(かいの・ひろし) 1996年(平8)11月16日生まれ、22歳。兵庫県出身。東洋大を経て昨年ドラフト1位で入団。
高校時代は三塁手だったが、大学から投手に転向。最速159キロの直球とフォークボールが武器。身長187センチ、体重86キロ。
右投げ左打ち。

 
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