イチローの4回途中交代は意味深なセレモニーだったのか?

それは特別なセレモニーに見えた。
イチローは、それを確認すると、ライトスタンドに両手を突き出してからベンチへ向かって走り始めた。スタンドは最初、何が起きたか理解できずに茫然となっていた。やがて、そのザワザワが、まるで音声ボリュームを徐々に上げるかのように万感のスタンディングオベーションに変わる。
イチローを慕うセカンドのゴードン、8番を打つショートのベッカム、サードのヒーリー、ファーストのブルーノら全内野陣がマウンド付近まで集まってベンチへ戻るイチローを出迎えた。イチローは、それはとても爽やかな笑顔で一人一人と握手して抱擁した。「偉大なるイチローに対して一歩下がって拍手を送りたいと試合前に語っていたメルビン監督以下、アスレチックスの三塁ベンチのメンバーも、全員が立ち上がり拍手を送る。」
イチローは、その一塁ベンチへも、手でサインを送って謝意を示した。ベンチ前ではサービス監督とも抱き合った。その間、45787人の観衆の拍手はずっと鳴りやまなかった。
こんなにも美しき交代シーンが過去あったのだろうか。3年前の横浜DeNA“番長”三浦大輔の引退試合が少しだけ重なった。あのときも、ラミレス監督は、最後に打者一人に投げさせてからマウンド上で交代させた。
ファンがグラウンドから見送る舞台を演出したのだ。マリナーズ監督時代にイチローと共に戦い、あのメジャーの歴史を塗り替えた年間最多安打262本達成の瞬間にも立ち会ったメルビン監督は、目頭を熱くしていた。「うるっときた。」
彼のところにボールが飛んだ時、彼をサポートしているファンが固唾を飲んで見守った。チームメイトも彼を受け入れた。彼の周りにはいろんな感情が渦巻いていると思う。

 
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